FXにおけるストキャスティクスとは、MT4で利用するオシレーター系のインジケーターのひとつで、「買われすぎ」「売られすぎ」を判断するテクニカル分析です。決まった範囲内で相場の上下を繰り返すボックス相場(レンジ相場)のときやトレンドの転換のタイミングを測るのに役立ちます。ストキャスティクスにはファーストストキャスティクスとスローストキャスティクスの2種類があります。

ファーストストキャスティクスは「%K(パーセントK)(Fast)」と「%D(パーセントD)(Slow)」の2本の線を利用して判断する手法です。2つの線は異なる動きをし、2本の線が交わるタイミングから売買のサインを読み取ります。

タイミング シグナル
%Kが%Dを下から上にクロスしたとき 買いシグナル
%Kが%Dを上から下にクロスしたとき 売りシグナル

また、%Kと%Dは単体で活用することもでき、一般的に%Kが70〜80%以上のときは買われすぎ、%Kが20〜30%以下となるときは売られすぎとされています。どちらも0%〜100%の範囲で変動し、%Kラインのほうが%Dより、より相場に対し敏感に反応します。

タイミング シグナル
%Kもしくは%Dが80%を下回ったとき 売りシグナル
%Kもしくは%Dが20%を上回ったとき 買いシグナル

ファーストストキャスティクスの計算方法は以下のとおりです。

▷短期
%K=(当日の終値−過去9日間の安値)÷(過去9日間の高値−過去9日間の安値)×100%

パラメーターは9日間が一般的で5日や14日の場合もあります。過去9日間の高値〜安値の幅を100%とした中で、現在の終値がどのあたりにあるかを示します。

▷中期
%D=(当日の終値−過去9日間の安値)の3日間の合計÷(過去9日間の高値−過去9日間の安値)の3日間の合計×100%

こちらは%Kの3日間の平均的な動きを表しているイメージです。

一方スローストキャスティクスは、Slow%Dと%Dのラインを使い、ファストキャスティングよりもだましが少ないのが特徴です。見方はファーストストキャスティクスと同じで、ファーストストキャスティクスと合わせて見ると更に精密な判断ができます。計算方法は以下のとおりです。

▷長期
Slow%D=(直近3日間の%Dの合計)÷3

ストキャスティクスにおけるダイバージェンスとは、トレンドの終わりやトレンドの転換を示すサインです。たとえばトレンドが大きく上昇しているのにもかかわらず、ストキャスティクスが下がっていくという逆行現象が起きることがあります。これは下降トレンドに転換するシグナルです。逆に相場が下がっている中でストキャスティクスが上がっていく場合は、上昇トレンドに転換するサインとして判断できます。

MT4でストキャスティクスを使用する場合の設定方法は以下のとおりです。

使用する通貨ペアのチャートを表示させる。
MT4上部のツールから「挿入」をクリックし、「インディケータ」を選択。
「オシレーター」から「ストキャスティクス」をクリックする。

その後何日間の%Kや%Dの値を使うのかなどのパラメーター設定を行ってください。先述の計算式で示したとおり、%Kにおいては9日間、%Dにおいては3日間が一般的です。

ストキャスティクスは、レンジ相場においては威力を発揮してくれますが、それ以外の相場においては他のテクニカル分析を利用するのがおすすめです。EAにおいてもストキャスティクスのロジックを活用したEAが存在します。ストキャスティクスのクロスでエントリーや値を超えたらエントリーなどEAがありますので、レンジ相場に強いEAとしてポートフォリオを組む際の参考にしてみてください。

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