MT4(MetaTrader 4)のExpert Advisor(EA)は、トレードアルゴリズムの動作内容を変更するためのパラメータを持っていますが、その意味を理解しておくことは重要です。通常、初期設定が最も優れた成績を収めることが多いため、多くの場合、変更する必要はありません。しかし、EAのパラメータ設定項目の意味を理解したい方のために、よく使われるパラメータの意味を解説します。EAの開発者によって、変数の名前や種類が異なることがあるため、理解できない場合は開発者に問い合わせることをお勧めします。
・Magic(マジックナンバー)
MagicはEAの識別番号を示します。複数のEAを同じ取引口座で使用する場合、それぞれのEAに固有の識別番号(マジックナンバー)を設定して区別します。
・MM(Money Management)
MMはMoney Management(資金管理)の略称で、自動的に発注ロット数の計算を行うかどうかを決定します。資金管理を有効にすることで、取引口座の残高に応じて適切なロット数を自動調整します。
・MM_Risk(Money Management Risk)
MM_RiskはMoney Management(資金管理)の略称で、リスク許容度に基づいてロット数を調整するパラメータです。設定したリスクレベルに応じて、取引ロット数を自動的に増減させます。単純に「Risk」や「MM」と表示されている場合もあります。
・FixLots(固定ロット数)
FixLotsは発注ロット数を固定するパラメータで、取引ロット数を任意の数値に固定します。設定した値が大きいほど、取引のリスクとリターンが増大します。このパラメータを有効化するためには、上記の「MMRisk」を無効化する必要があります。
SP_Limit(スプレッド許容範囲値)
SP_Limitは許容するスプレッド(売買価格の差)の範囲を示します。スプレッドが設定した値よりも小さい場合、取引量が減少する可能性があります。
SlippageLimit(スリッページ許容範囲値)
SlippageLimitは許容するスリッページ(注文の約定価格と指定価格の差)の範囲を示します。設定した値が小さいと、取引量が極端に減少する場合があります。
Comment(コメント欄)
Commentは任意のコメントを入力するパラメータです。EAの名前などを入れることで、取引記録を分かりやすくすることができます。この項目を変更しても、トレードのロジックに変更は加えられないのでパフォーマンスが変動することはありません。
MaxPos(最大保有ポジション数)
MaxPosは同時に保有できるポジションの最大数を示します。複数のポジションを同時に持つことが許容される場合、この値を設定します。
TP(TakeProfit)
TPはTakeProfitの略で、利益を確定する価値を示します。設定した価格に達した場合、ポジションを利益確定してクローズします。
SL(Stop Loss)
SLはStop Lossの略で、損失を確定する価値を示します。設定した価格に達した場合、ポジションを損失を最小限に抑えるためにクローズします。
これらのパラメータの変更箇所は通常は数値の設定変更によるものですが、True(適用する)またはFalse(適用しない)という形で記載されている場合は、その設定を有効化するか(True)、無効化するか(False)という意味合いになります。EAの適切な動作にはこれらのパラメータの適切な設定が重要であり、トレーダーはこれらのパラメータを慎重に検討して選択することが求められます。